良い目覚めは良い眠りから。しかし、多くの日本人が睡眠による休養を十分に取れていないと感じており、その割合は年々増加傾向にあるようです。必要な睡眠時間には個人差がありますが、一般的に6時間以上が適切と考えられています。国の調査では、約4割の人が6時間未満の睡眠しか取れていません
なぜ良い睡眠が重要なのでしょうか?
睡眠は、私たちの体と心の健康を維持するために不可欠です。睡眠不足は、将来的に様々な疾患のリスクを高めることがわかっています。例えば、睡眠時間が6時間未満で睡眠による休養感が乏しい場合、死亡リスクが1.12倍、2型糖尿病リスクが1.37倍、うつ病リスクが2.27倍、認知症リスクが1.22倍になるという報告があります。また、睡眠不足は日中の眠気や疲労感だけでなく、注意力や判断力の低下、学業成績の低下にも影響を与えます。
あなたは大丈夫?睡眠の質をチェック
- なかなか寝付けない、または寝付いても途中で目が覚めてしまう。
- 睡眠中に窒息感やあえぐような呼吸を自覚することがある。
- 最近体重が増えたことで激しいいびきをするようになった。
- 肥満、高血圧、糖尿病の治療を受けている、または指摘されたことがある。
- 睡眠薬がわりに寝酒を飲むことがある。
- 就寝前に喫煙をしたり、カフェインを摂ることがある。
- 睡眠時間が6時間未満である。
- 睡眠によって十分に休養できていないと感じる。
- 日中に倦怠感や眠気を感じることがある。
- 眠気で日中の生活に支障が出ることがある。
- 実際に眠っている時間以外に寝床で長時間過ごすことがある。
もし一つでも「はい」と答えた項目があれば、睡眠に問題を抱えている可能性があります。
良い睡眠のためのヒント
より良い睡眠を得て、休養感のある毎日を送るために、以下の点を意識してみましょう。
- 適切な睡眠時間を確保し、休養感を大切にする。働く世代は最低6時間以上、リタイア世代は床上時間が8時間以上にならないように注意しましょう。長く眠ることよりも、よく眠れたと感じることが重要です。
- 睡眠を妨げる要因を見直す。肥満や女性ホルモンの影響、高齢者の夜間頻尿などが睡眠の質を低下させる可能性があります。
- 日中は活動的に過ごし、昼と夜のメリハリをつける。適度な運動習慣は睡眠の質を高めますが、寝る直前の激しい運動は避けましょう。働く世代は中・高強度、リタイア世代は低強度の運動が推奨されています。
- 寝室の環境を整える。光、温度、音は睡眠に大きな影響を与えます。朝は光を取り入れ、夜は暗く静かな環境を作りましょう。室温は夏は涼しく、冬は18℃を下回らないように調整しましょう。
- 生活習慣を見直す。朝食を抜き、寝る直前に食事をすることは避けましょう。カフェインやアルコールの摂取は控えめにし、就寝前の喫煙はやめましょう。就寝1時間前からスマートフォンやパソコンの使用を控えることも重要です。
- 寝だめはほどほどに。休日の2時間以上の寝だめは、平日の睡眠不足を解消する効果がないだけでなく、体内時計を乱す原因になります(ソーシャルジェットラグ)。平日に最低6時間の睡眠時間を確保することが大切です。
- 睡眠に不安を感じたら専門家に相談する。不眠の症状が長く続く場合は、医療機関への相談をおすすめします。
質の高い睡眠で、毎日を元気に過ごしましょう!
睡眠は、私たちの生活の質を大きく左右します。日々の生活習慣を見直し、質の高い睡眠を確保することで、心身ともに健康な毎日を送ることができます。
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